神戸には居留地に住んだ外国人を介して欧米のさまざまな文化が伝
遊びもそうです。サッカー、ゴルフ、登山、
こんなに坂道上るのか…
神戸市営地下鉄新神戸駅下車。西へ向かって歩いていくとなだらかな坂道が続き、一つ目の信号を右に曲がると住宅街の中に長く急な坂道が…!
坂を上り続けること約10分。左側に看板と紺色の旗が見えると目的地到着!
坂を上りきると、坂の上の異人館、北野外国人倶楽部、山手八番館、うろこの家、うろこ美術館といった5つの建物が集合している場所に着きます。まず一番はじめにある建物が、坂の上の異人館(旧中国領事館)です。中国ならではの煌びやかな外観を想像していたけれど、塀は白く洋風の建物のよう。
外観とは違ったアジア〜んな雰囲気も
館内はお香のにおいがして、中国の音楽がかかっており一気に中国に来た気分が味わえます。照明の明るさだけではなく、調度品の多くが木製だったり金の装飾が施してあったりするのですごく眩しかった。また、館内はアジア様式かと思っていたけれど実際には食器にフォークが使われていたり壁の装飾やバスルームの欧米化であったり、旧中国領事館というだけあってアジアと欧米の文化が混ざり合っていてまた新たな一つの文化を発見したかのような気分になりました。
床は黒色で、テーブルや椅子が置かれているところには敷物が敷かれています。
木製の家具と洋風の食器。アジアと欧米の様式が混ざり合っている。
調度品(上)と茶器(下)。中国の文化を感じられる。
異国文化の窓口・社交場
続いて今回の一番の目的、北野外国人倶楽部を紹介します。開港当時、自国の文化を携えてやってきたいろいろな国の人々は社交場でお互いの文化を伝えあい交流していたと考えられます。神戸に社交場があったことから、映画やボウリング、パンやケーキをはじめとするスイーツが神戸発祥とされ現在でも沢山の人に親しまれています。
北野外国人倶楽部の入り口。この手前には坂の上の異人館、奥には山手八番館が続いている。
パーティー、舞踏会、ゲーム…楽しそう!
チェス(上)とルーレット(下)。社交場での外国人同士の交流がうかがえる。
ナイフやスプーン、お皿やグラスなどどれを見ても欧米様式。
ここまでで挙げた写真はゲストをもてなすためのゲストルームです。照明、食器、家具どれもが華やかでした。
次の写真は寝室と書斎です。先ほどのゲストルームとは正反対で家具や楽器など全体を茶色で統一することにより落ち着いた雰囲気に。書斎にこもって読書や楽器を演奏する姿が想像できます。
それぞれに素敵だね、異人館!
今回訪れたのは2館だけでしたが、坂の上の異人館は茶器や水墨画をはじめとするアジア・中国ならではの文化が体験することができ、日本に似た文化ということもあってどこか身近に感じられました。
北野外国人倶楽部では開港当時の様子が再現されていて、映画やテレビから伝えられる欧米社会の文化とはぜんぜん違うところが興味をそそりました。いま神戸発祥とされているボウリングやゴルフ、映画などは当時居留地にあった社交場が窓口となって日本に広まっていったのだなと思うとすごくわくわく。異国の文化が沢山入ってきていた昔の神戸はどんなだったのだろうとさらに興味を引きたてられました。
神戸港開港とともに沢山の外国人がそれぞれに自国の文化を持ち寄ったからこそ現在のお洒落できれいな港街・神戸があるのだなと思います。「外国人なんやから洋風でお洒落なのは当たり前や!」と思わず、実際に足を運んで自分の目で見て驚きや感動を味わうことで少しでも昔の外国の様子や国によって違う文化を体験してほしいなと思いました。
居留地時代の外国人が今の神戸を見たらなんて言うのかな?
参考
呉 宏明(2006)『こうべ異国文化ものしり事典』神戸新聞総合出版センター
神戸北野異人館街ホームページ http://www.kobeijinkan.com/
神戸の観光地 北野異人館ネットhttp://www.ijinkan.net/
神戸北野の異人館 うろこの家ホームページ(異人館おすすめマップ) http://kobe-ijinkan.net/
取材 有馬瑞貴