2015年11月10日火曜日

神戸ビエンナーレ メリケンパーク会場に行ってきた!(後編) 2015/10/10


中庭には、金属でできた動物たちが!近づいてみると鉄板を切り抜いたひらがなや漢字で作られていることがわかる。




見るだけより「体験する」が楽しい

テント NO.4 国内招待作家展

4番目のテントには、国内招待作家展、創造玩具国際展、コミックイラスト国際展の作品が展示されてました。


「美脚写真館」 柴田美千里 

 足の模型が置いてあるだけのこれです。説明文に「足の中に足をいれてください」と書いてある。美脚写真を撮影できるトリックアート。美脚になりきって女優さんのようなポーズを決めたり、男性はギャップを楽しんでくれとのこと。やってみました。



なんか女王様みたいな取ろうとしたらすんごいダサいポーズになってしまいました。でもなかなか面白いアイデアですよね。これやれば誰でも美脚になれる訳ですから。

みんな楽しそう



「アカリノパズル」 高橋綾


 150cm角の光のテーブルに好きな色のビー玉を並べるだけで、光を含んださまざまな模様を描くことができます。立体的な表現も可能とのこと。自分もやってみましたが結構難しかったです。


「コスモスキ-Kobeの多元宇宙-」アートユニット「PioRyo」



何かの立体。どうやら中に入れる模様。入りました。


な、なんだこれは!四方八方に鏡が設置されており、自分がいっぱいいる...正直飯食った直後にこれはキツイ。


壁面がアート

テント NO.5 国内招待作家展

「The Ark#2」 日比谷泰一郎



 何気ない日常をドローイングし作品化することによって、ここに存在していたという事実を証明するような、日常の抽出を試みている。繰り返される日常の価値、意義を再考するきっかけを生み出したい----とにかく巨大さに圧倒されました。

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テント No.3には「淡路濃厚チーズバーガー」「ぼっかけ焼きそば」「神戸ふわとろオムライス」など、
地元神戸の美味しいものが大集合。神戸牛のステーキ串が絶品


最後に

「子供のころに戻ったみたい」「いつも新鮮な気持ちでいさせてくれる」という感じがしました。正直、現代アートなんて意味がわからなかった点があるかもしれませんが教科書の知識じゃなくて、実際に直に見て、触れてみるということでそういったわかりにくい現代アートが実際はそうでもないよという事を教えてくれる気がしました。いや~美術全くわからないけど楽しかったです。




参考にしたサイト、資料
 HYPERLINK "http://www.kobe-biennale.jp/" http://www.kobe-biennale.jp/  
神戸ビエンナーレ公式サイト
 HYPERLINK "http://www.webnews.gr.jp/nhk/00_0428_nakama.html" http://www.webnews.gr.jp/nhk/00_0428_nakama.html webnews
神戸ビエンナーレ公式パンフレット。



取材 山本友樹


2015年11月3日火曜日

山の手の洋館を訪ねて 2015/10/11


 異人館街は三宮駅から山側にテクテク歩いて約15分。でも坂道がほとんどで、途中から坂が急になります。日頃、平なところしか歩いていないので、たいそう疲れてしまいました。


 ところで神戸といえばオシャレで洋風な雰囲気がありますが、それを象徴するのが北野の異人館街といっていいでしょう。ということで、簡単に北野町の異人館の歴史について振り返りましょう。

居留地で働く異人さんたちの住まい 

 北野の異人館街は1868年の神戸開港時、政府が外国人が住めるよう設けた雑居地に由来します。
 明治政府は、東は生田川、西は宇治川の範囲を限って日本人との雑居を認め、居留地から山手に延びる南北道の整備を行いました。そして、居留地や港が南に一望できる山手に異人館街が山手の高台に形成され、異人さんたちは山手から居留地の仕事場に山手から通勤したそうです。
 明治時代から昭和初期にかけて二百余棟建てられました。その後戦争での空襲や老朽化による建て替えなどにより破壊が進みました。そんな北野の異人館が注目を集めるようになったきっかけは、77年放送のNHK連続テレビ小説『風見鶏の館』。閑静な住宅地であった北野町界隈は一躍観光地になりました。

異人館風ローソン


 みんなが知ってるあのローソンがそのまま異人館 街にあると、それだけでもう興ざめですよね。そうならないためにこのように白と黒のおちついたおしゃれな外見となっているんだと思います。こんなおしゃれな外見でしたが中は普通のコンビニで安心しました。


英国館



 英国人医師フデセック氏の住居として使われていたコロニアル様式の建物です。中に入ると洋風のアンティークな家具が様々に置いてあり、日本ではあまり見かけることのないようなおしゃれな雰囲気でした。2階には英国館100年記念にてシャーロックホームズの住まいが再現されていました。

洋館長屋(仏蘭西館)




 左右対称の異人館。元は外人向けのアパートでした。現在は展示品をフランスの美術や調度品で統一され豪華な印象を持ちました。ルイ・ヴィトン草創期のトランクなどが展示されていました。

ベンの家



 もともとは神戸の旧居留地にあった商館移築されたものです。塀、壁、建具などすべて居留地のころのまま。持ち主だったベン・アリソンはイギリス貴族で狩猟家。射止めた動物の剥製が展示されています。

~~~コラム~~~ 
北野町の異人館は洋風?亜細亜風?日本風?
 北野の異人館のような建築を見るとわたしたちはなんとなくヨーロッパの伝統的な建物のように思ってしまいますが、実は、ヨーロッパとアジアと日本のエッセンスが取り入れられた洋風建築なのです。
 北野の異人館の基本は「コロニアル様式」と呼ばれる様式で設計されています。その特徴は、水平方向に板を重ねて貼り付けた「下見板張り」と呼ばれる壁面と、南側の大きなベランダ。「下見板張り」はなんとアメリカの開拓地、そして南側のベランダはアジア特有のものです。そのコロニアル様式に日本風テイストを加えたのが北野異人館スタイル。屋根の瓦は日本独特のもの、そしてベランダの一部は寒い日本の気候を考慮してガラス窓で閉じられています。



 特徴その1 下見板張り

 特徴その2 南向きの大きなベランダ

特徴その3 屋根には日本の瓦が乗っている

特徴その4 ベランダがガラス張りに

 このように北野の異人館は、いろんな文化が入り混じった独特の魅力を持つ建物なのです。それはまさしく港まち神戸象徴するものといえるでしょう。
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 神戸の観光スポットとして有名な異人館。異人館のことは聞いたことはありましたけど、行ったことは一度もありませんでした。
 異人館通りの町並みは街灯が整然と並んでいてとても美しい。建物はそれぞれが個性的で異人館によって違った特色があると感じました。今ではすっかりテーマパークのような観光地になっていますが、現実の歴史の積み重ねの中からできあがっただけあり、テーマパークのような作りものにはないリア充な感じが感動的です。 

参考
神戸北野異人館街www.kobeijinkan.com/
神戸北野の異人館 うろこの家公式ホームページhttp://kobe-ijinkan.net/
神戸謎解き散歩 大国正美 編著 新人物文庫


取材 中川克隆





2015年11月2日月曜日

神戸ビエンナーレ メリケンパーク会場に行ってきた!(前編) 2015/10/10

 メリケンパーク、ハーバーランド、モトコー、東遊園地、兵庫県立美術館などいろんなところで開催されている今年の神戸ビエンナーレ。港大好き人間Tが選んだのはやっぱしメリケンパーク!では行ってみましょう!

突然愛おしくなるモニュメントがお出迎え 

作品名:SHRINE Benoit Maubrey(ベノア・モウブレイ)1952年生まれ、アメリカ・ワシントンDC生まれ。
独ブランデンブルグ州移住後、非営利団体”Kunstpflug e,V.”を設立。90年からはバート・ベルツィヒ近郊に暮らす。

 入り口にあるスピーカーで作られた鳥居が!この作品はドイツの作家、ベノア・モウブレイのもの。このモニュメントは、日本人にとって神聖な存在である鳥居と、スピーカーシステムを組み合わせて、異文化、そして様々な人が出会う交差点として、作られました。

 この作品に使われるスピーカーは、全てが中古の物で、限られた資源と環境問題を喚起するためなのです。そしてこのモニュメント、スマートフォンのBluetooth機能を使って、鳥居全体からいつも聞いてる音楽を大音響で楽しめるというギミックが楽しい。カネではなくアイデアでびっくりさせる...現代アートってすばらしい!!
さて、メリケンパーク会場には5つのテントがあり、その中でいろんな作品が展示されています。屋外展示作品もあるけれど、まずは順番にテントを回っていきましょう。

5つのテントが設置され会場中央にはオブジェが展示されている


なんだこのねじりん棒は!
テント NO.1 海外招待作家展


 まず目に入ったのが、神戸の友好都市、天津(てんしん)市の作家、トウ・コクゲンさんの作品。そもそもここには「Noah`s garden」という作品が展示される予定でした。ですが、なにかトラブルがあったそうで、作品の現物を見ることはできませんでした。しかし、写真パネルや映像、神戸ビエンナーレの総合プロデューサーである華道家の吉田奉巳さんが創作した曼荼羅が展示されていました。これらの作品を見て、曼荼羅や映像などが合わさって、部屋全体がひとつの芸術表現のようにも思えました。

トウ・コクゲン 1957年、中国天津生まれ。
サウスダコタ大学教授、ドイツ・ハレ市ある芸術大学の客員教授。
中国、ドイツに渡りいくつかの個展やグループ展を開催。


 次に見た作品は、キム・ビョンテクさんの作品、Memories of plazaです。この作品は、光州事件をテーマにしています。キムさんは、「私の作品は歴史的事件を記録する道具として使用され、それらの象徴的な意味の証拠となっている。私にはこういった活動は美術と作者が負う責任だ」と述べています。こういった社会的な問題を美術作品として見るのは初めてで、今まで見てきたものとは異なった現実的な生々しさを持った作品でした。
キム・ビョンテク 作品名:Memories of plza
歴史における真実と誤解などを形式的なアート方法を用い集約するプロセスを経た作品を制作。


アートとして迫ってくる書道
テント NO.2 書道展・イスラエル書道家による作品展

 現代書壇を代表する作家や、兵庫県書作家協会の代表作家が、漢字、かな文字、篆刻、前衛の4分野で作品が展示されていました。その中で、神戸ビエンナーレのテーマである「suki」をモチーフにした書道なども展示されていました。

左右津 安輝子 作品名 SUKI

 続いては、中東・イスラエルで日本の文化や日本の美学に魅せられたアーティスト集団「書道-テルアビブ」による作品なども展示。海外の方が書く日本の書道は、字と言うよりも、一種のアートのようになっていて、とても斬新な作品だと感じました。

イスラエルの書家たちの作品

やるぜ、大学生!
テント NO.2 の続き 大学作品展
 次は、大学のゼミ研究室単位による作品展、職人の手により生み出された陶芸、染織、皮革などの日常生活に不可欠な道具、現代における芸術表現を追求する工芸作品の展示、障がい者の作品などが展示されていました。 大学のゼミや研究室単位による作品はなかなかのものでした。

Layer
大阪教育大学 教養学科芸術専攻美術 書道コースゼミ

 いろんなアーティストが手を変え品を変え私たち一般ピープルの固定概念をぐらぐらさせ、今までどうと言う事もなかったものが作品に変わったり、鑑賞者である私たちがなんらかのかたちで関わることで作品として成立したりと、どんどんとアタマがやわやわになっていくのがわかりました!ありがとう!神戸ビエンナーレ!!
 後半は山本くんが綴ります。

参考資料 神戸ビエンナーレ2015 公式ガイドブック 秋は神戸でアートの旅

取材 平良 賢一





ロケ場所としての旧居留地 2015/10/11

 そこはかとなく異国を感じる神戸。その中でもいちばんなのは旧居留地。ここを歩けばなぜか誰もが日本のような外国のような、とにかく非日常気分になります。そんな不思議な魅力を秘めた旧居留地はは、ドラマや映画のロケ地としてしばしば登場しているのです。今日はそんな旧居留地でロケ地になったところを歩いてみました。

大丸神戸店


 大丸神戸店の前にある時計台のベンチでは、一休みしている夫婦やカップルがたくさん見られ、ゆったりとした時間の流れを感じました。
 この大丸神戸店はいろいろな映画のロケ地となっています。今回紹介するのは、綾瀬はるか・小出恵介主演の『僕の彼女はサイボーグ』。大丸脇の交差点を夜間閉鎖してロケを行ったそうです。

(C)2008「僕の彼女はサイボーグ」フィルムパートナーズ

『僕の彼女はサイボーグ』
韓国映画『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』に続く"彼女シリーズ"第3弾
脚本 監督 郭在容(クァク ジョエン)
 北村ジロー(小出恵介)は奇妙なボディスーツの「彼女」(綾瀬はるか)と遭遇する。「彼女」の奇妙な行動、言動に振り回されつつも、ジローは「彼女」に惹かれていく。しかし、「彼女」は謎めいた言葉を残して突然姿を消してしまう。未来からやってきた「人造人間」の少女と、彼女に惹かれていく青年の共同生活を描いたSFラブストーリー。



京町筋


 メリケンロードを南に進むと、少し開けた交差点に出ました。そこから東に進路を変えて進むと、看板がおしゃれな建物が多く見られるように。
京町筋に入ると、目につくのが神戸市立博物館。今、神戸市立博物館では、大英博物館展が開かれており、私も先日見に行ってきました。私が見に行った時も多くの来館者で賑わっていましたが、この日はその倍ぐらいで、外の通路まで行列ができるほどでした。この京町筋は、金城武・小西真奈美主演の『Sweet Rain 死神の精度』のロケ地として使われました。




(C)2008「Sweet Rain 死神の精度」製作委員会

『Sweet Rain 死神の精度』
著者 伊坂幸太郎 2004年 第57回日本推理作家協会賞短編部門受賞
監督 筧昌也 脚本 筧昌也 小林弘利
7日間の調査の後に対象者の死を見定める、クールで少しずれている死神を取り巻く人生の物語。


神戸朝日ビル


 旧居留地の中でもかなり大きな建物で、ここも長澤まさみ・岡田将生主演の『清く柔く』など2作品のロケ地となっています。

(C)2008「潔く柔く」政策委員会
『潔く柔く』
監督 新城毅彦 脚本 田中幸子 
大島里美カンナ(長澤まさみ)とハルタ(岡田将生)は、同じ団地に住む幼馴染みで「猫のキス」をする仲。マヤ(中村蒼)とアサミ(波瑠)は中学の同級生で、4人は高校で出会う。アサミはハルタに、マヤはカンナに恋心を抱いていた高校1年の夏、ハルタが交通事故で死んでしまう。カンナ、マヤ、アサミそれぞれの複雑な想いが互いに交錯しあう物語。


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カフェでひと休み
季節のパンケーキ(税込 972円)を注文。
café kukka 神戸市中央区元町通5-3-17
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 レトロな雰囲気が漂っているので、歩いているだけで自分自身まで大人っぽくなったかのような錯覚に陥ってしまいました。こんなところでお買い物なんてなかなかできないけれど、お店も気になるところがいくつかあってので、また今度のぞいてみたいなと思いました。 多くの人でにぎわっているにも関わらず、建物や看板などに統一性があり、整然としていたので素敵な場所だな、散策してよかったな。

取材 寺田 朱李







2015年11月1日日曜日

 混沌の中の「美」 神戸ビエンナーレ@モトコー 2015/10/11

 神戸の街で2年に一度行われる芸術の祭典「神戸ビエンナーレ」。メリケンパーク、ハーバーランド、モトコー、東遊園地、兵庫県立美術館などを会場に開催されています。今回は元町高架下、通称「モトコー」の生け花未来展、野外展を見に行きました。展示された作品の中から3作品をピックアップしてお伝えします。

モトコーへ突入

JR神戸 線の高架下が商店街になっている

 作品が展示されているモトコーの正式名称は元町高架通商店街。戦後闇市が開かれていたそうです。当時、米軍の軍服を横流しして売っていたそうで、今でもミリタリーグッズなどを売るお店が残っています。ここは照明が少し暗く、通路が約2メートルと狭く、まさしく「シェンムー」の世界です。そんな混沌とした商店街の中に、生け花の展示スペースが! 混沌の中にさく一輪の花。本来馴染まないであろう場所に溶け込んでいる光景は、奇妙で面白いと思いました。

元町あたりはカジュアルな洋服屋さんとかがあって楽しい感じ

西へ行けば行くほど混沌レベルが上がっていく

いろんなお店が連なる中、ところどころに展示会場が


その1 廃材をリサイクルして作られた作品(草月流)


  庭を剪定する際に切り落とされた 植物の枝葉や木は通常ならばゴミですが、それを干して使っています。本来捨てられるはずの木に光が当たり、芸術として価値あるものに変わるというのが、ecoの精神を体現しているように感じました。


その2 竹取物語(未生流和行会)

 竹取物語のかぐや姫がモチーフとなっています。花やヴェールを用いて、かぐや姫の華やかさや儚さを表現しているように感じました。この作品は制作人数が24人と多く、小物の数々や、暗くした部屋での影の演出など、かなり手が込んでいます。華道を超えたフシギな世界。

その3 枯れ木による作品(未生流[庵家] 佐伯一甫)


 細く切られた枯れた木の皮を編み込み大きなオブジェになっていました。うねりを見せながら上昇し、頂点部には綿で出来た雲が!その姿はまるで、枯れ木を巻き込んで吹き荒れる竜巻のようでした。力強く雄々しい作品で、見る人も思わず息を飲んでしまいます。


見れば見るほど面白いモトコー。

 本町高架下には、中古品を並べる店、古本・古CDを大量に抱える店、マッサージ店、占い、骨董品、ジムなど、多種多様な店が230ほど軒を連ね、ちょっぴりスリリングな買い物が楽しめます。
 モトコーの空きスペースを使って行われた展示は芸術を市民と近づけようとしているようにに感じました。だれでも自由に見ることができたり、展示スペースのすぐ隣で普通のお店が開いて商売していたり、あえて小難しい解説を入れないようにしていたり、芸術を身近なものにして多くの人に触れてもらおうとする工夫が見て取れました。
 普段あまりこういったアート展を見る機会がないわたしですが、楽しめました。神戸ビエンナーレのモトコー会場、おすすめです。

取材 高橋祐貴 

参考

モトコー2番街(http://www.motoko2.com/)
高橋健次郎(2011)「ツッコミどころ満載!神戸・モトコー」『朝日新聞 夕刊』朝日新聞社、3ページ