2016年2月11日木曜日

フェリーに乗ろう! その3 「船長さんに聞く」  2015/12/2




「フェリーさんふらわあ」の船長である進藤正士さんに、お話をお聞きしました。



Q.なぜこのお仕事に就かれましたか。


A.私が学生のころ、海外旅行は今ほど手軽に行けませんでした。一部のお金持ちの方しか行けなかったわけです。まず、外国に行く船の船員になれば海外に行ける。そして、船員になるのなら、目標として船長になりたいと思いました。

 なぜフェリー会社に入社したかといえば、就職活動をし始めたころから外航船での荷役形態が変わり、外国での停泊時間が短縮されたことと、安い料金で海外に旅行が出来るようになったことで、海外に行くのであれば休暇中に飛行機で行けばいいだろうと思い、外航船に乗船することは目指さなくなりました。しかしながら、せっかく船乗りを目指したのだから、一度は船に乗ろうと思い、フェリーの会社に就職しました。

   *外航船…国際航海に従事する船舶。国内航海に従事する内航船に対するもの。



Q.船長になられるまでのことを教えてください。


A.大学に入りまして、3年生ぐらいから船の専門の授業を受け始め、練習船での乗船実習などを行い、計5年間船について学びました。

その後フェリー会社に就職し、航海士として17年勤めた後、船長として7年勤めています。


Q.船長はどういうお仕事をされますか。


A.操船はもちろん、船員の管理も行い、平等に仕事を振り分けます。その他に船内の規律の維持、災害、けが、人員の配置、安全保護具の着用の指示、衛生管理、ウイルスや食中毒の対策などにも関わり、船全般のことに精通していなければなりません。


Q.部下を指導するときに気を付けていることは何ですか。


A.本当に危ない状況でも安全に乗り切ることができるように、何でも言えるような環境作りに努めています。特に若い船員に対しては、あまり怒り過ぎると委縮してしまうので、怒らないようにしています。


Q.変わったバイクや車を載せたりされますか。


A.ありましたね。フェラーリなんか見たことありますよ。船は降りるところが坂道になっているので、車高が低い車両はそこで車体を擦るんです。だから車を降ろす時はとても気を遣います。マットを何枚も引いて、こすれてしまわないようにしています。


お話を聞いて….

 あまり知られていない船長としての仕事や、利用者には見えない仕事の気苦労など、貴重なお話を聞くことができました。神戸港150周年に向けて活気づくフェリー業界の一面を見ることができて勉強になりました。ありがとうございました。


取材協力:株式会社フェリーさんふらわあ

取材:高橋 祐貴