2016年2月3日水曜日

海の安全を守るポートラジオ(前編) 2015/12/2

いろんな機器を使って仕事する港湾通信士
 
ラジオというと誰しもが「ラジオ?音楽とか、おしゃべりとかを聞く….」と思うことでしょう。ところがこのポートラジオはどうやら普通のラジオとは似て非なるものらしいということで、ポートラジオのお話を聞く前に下調べをしました。




ポートラジオのふたつの役割

 ポートラジオ局の仕事は大きく2つあります。

 まずは船の安全な出入港のための情報提供です。

 港の中にはいろんな船が行き交っています。それぞれの船は、他の船がどこをどう動いていくのかをすべて把握しているわけではありません。そこでポートラジオ局では、船の位置やスピードなどが分かる機械などを使って、港を利用する各船の動きを把握し、周辺にいる船の情報を伝えます。その情報をもとに船は安心して港を出入りできます。

  2つ目の役割が、港で船を待ち受ける関係業者への情報連絡です。


  大型の商業船が港に入る際には、水先案内人や、タグボート、荷役業者など多くの人が関わっています。ポートラジオはそれらの人たちに「船がいつ港にやってくるか」という情報を事前に無線通信でキャッチして、関係先に電話や専用の無線機を使って情報提供し、港湾での作業を円滑に行えるようにします。


ポートラジオで働くには 

ポートラジオ局では港湾通信士として働く事になるのですが、港湾通信士になるには特別な大学などを出る必要はありません。

  ポートラジオ局の業務を請け負っている会社に入社するのが一般的で、船との通信をする資格として、第3級海上無線通信士の資格が必要になります。        

  学生時代に勉強して取得する人のほか、入社後、無線の基礎を身につけて取得する人も多いそうです。ポートラジオ局は全国の主要な港に31局あります。そのうち株式会社東洋信号通信社が運営を委託されているのは27局です。残りの4局では地方自治体が自ら運営を行っているか、弊社以外の地元の企業に委託されています。全国のポートラジオ局にはおよそ230人の港湾通信士がいて、女性も数多く働いているそうです。



参考資料

平成若者図鑑



取材:平良賢一