2016年1月27日水曜日

港湾サービスのプロ集団「早駒運輸」その1 2015/12/2

港の安全を守る

 122日、私たちは早駒運輸株式会社さんにお邪魔してきました。どのような仕事をされているのかまったくわからず、ドキドキ緊張したまま取材をさせていただきました。 



繋離船業(けいりせんぎょう)と引船業(ひきふねぎょう)




 船は自由に動くことが出来ず、港に入ってきて停泊させるのも一苦労な乗り物だそうです。そこで活躍するのが、繋離船業と引船業。

 港に入ってきた船からロープを受け取りビットに繋ぐ、出港する際にはビットから離す。

これが繋離船業です。このロープ作業はすべて手作業で行います。強風などで太いロープが切れてしまうこともあり、危険と隣り合わせの作業なのです。

 船をつなぎとめるビット


 船の着離岸のサポートをするのが、引船業です。タグボートという船で港に入ってきた船を横から押し、岸壁に着けるという作業を行います。タグボートとは、全長30~40メートルの船体にプロペラが2つ付いている船で、他の船と違って自由自在に動くことが出来るようです。たった30メートルの小さな船が、300メートルもの大型船を押しているというのには驚きました。その理由を尋ねてみると、タグボートの馬力に秘密が隠されていました。タグボートの馬力はなんと3600馬力もあるそうです。


港のマイティーボーイ、タグボート!

 繋離船業と引船業、お互いがお互いを信頼して協力しなければ、船の着離岸は成功しません。タグボートの船長岡本さんとロープを引き受ける寺坂さんは、「チームプレー」だとおっしゃっていました。





警戒船業


 は、日本の海域内に無断で入ってくる外国船を警戒するものを、警戒船業だと思っていましたが、狭い海域内での衝突事故を未然に防ぐのが警戒船業です。具体的には、航路を確保したり、海中で何か作業が行われていることを知らせたり、火事や油漏れを知らせたりしています。事故が起きると、その後着離岸する船や、物資の輸送にも支障が出るので、この警戒船業は大切な仕事なのだと実感しました。


 聞いてメモを取るのが精いっぱいという感じのインタビューでしたが、話を聞いていくうちに早駒運輸さんの仕事内容に興味を持つようになりました。日本の物流の玄関口である、神戸の港の安全を守っているかっこいい仕事なのだと感じました。岡本さんと寺坂さんが、「何かトラブルが起きても最後にはチームプレーなんですよね」とおっしゃっていたのが、印象に残っています。 お互いを信頼しているからこそ言える言葉だなと感動しました。私も将来仕事に就いた時、お二人のように仕事仲間を信頼して働こうと思いました。
 何も知らなかった私たちに、仕事内容を一から丁寧に説明してくださった早駒運輸の皆様、本当にありがとうございました。


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早駒運輸株式会社とは

 明治18(1885)に早駒組として長田区駒林に産声を上げ、昭和25(1950)に「早駒運輸株式会社」と改名し、今日まで120有余年にわたり神戸港を基盤に皆様と港との架け橋として港湾サービス一筋に打ち込んできた会社。事業内容は、曵船業 繋離船業 旅客船業 警戒船業 海上防災業。本社はポートタワーのすぐ近く。姫路・加古川・水島に事業所が、東京に営業本部がある。 <早駒運輸株式会社ホームページより>

取材協力:早駒運輸株式会社(http://www.hayakoma.com/
取材:寺田 朱李