2015年11月3日火曜日

山の手の洋館を訪ねて 2015/10/11


 異人館街は三宮駅から山側にテクテク歩いて約15分。でも坂道がほとんどで、途中から坂が急になります。日頃、平なところしか歩いていないので、たいそう疲れてしまいました。


 ところで神戸といえばオシャレで洋風な雰囲気がありますが、それを象徴するのが北野の異人館街といっていいでしょう。ということで、簡単に北野町の異人館の歴史について振り返りましょう。

居留地で働く異人さんたちの住まい 

 北野の異人館街は1868年の神戸開港時、政府が外国人が住めるよう設けた雑居地に由来します。
 明治政府は、東は生田川、西は宇治川の範囲を限って日本人との雑居を認め、居留地から山手に延びる南北道の整備を行いました。そして、居留地や港が南に一望できる山手に異人館街が山手の高台に形成され、異人さんたちは山手から居留地の仕事場に山手から通勤したそうです。
 明治時代から昭和初期にかけて二百余棟建てられました。その後戦争での空襲や老朽化による建て替えなどにより破壊が進みました。そんな北野の異人館が注目を集めるようになったきっかけは、77年放送のNHK連続テレビ小説『風見鶏の館』。閑静な住宅地であった北野町界隈は一躍観光地になりました。

異人館風ローソン


 みんなが知ってるあのローソンがそのまま異人館 街にあると、それだけでもう興ざめですよね。そうならないためにこのように白と黒のおちついたおしゃれな外見となっているんだと思います。こんなおしゃれな外見でしたが中は普通のコンビニで安心しました。


英国館



 英国人医師フデセック氏の住居として使われていたコロニアル様式の建物です。中に入ると洋風のアンティークな家具が様々に置いてあり、日本ではあまり見かけることのないようなおしゃれな雰囲気でした。2階には英国館100年記念にてシャーロックホームズの住まいが再現されていました。

洋館長屋(仏蘭西館)




 左右対称の異人館。元は外人向けのアパートでした。現在は展示品をフランスの美術や調度品で統一され豪華な印象を持ちました。ルイ・ヴィトン草創期のトランクなどが展示されていました。

ベンの家



 もともとは神戸の旧居留地にあった商館移築されたものです。塀、壁、建具などすべて居留地のころのまま。持ち主だったベン・アリソンはイギリス貴族で狩猟家。射止めた動物の剥製が展示されています。

~~~コラム~~~ 
北野町の異人館は洋風?亜細亜風?日本風?
 北野の異人館のような建築を見るとわたしたちはなんとなくヨーロッパの伝統的な建物のように思ってしまいますが、実は、ヨーロッパとアジアと日本のエッセンスが取り入れられた洋風建築なのです。
 北野の異人館の基本は「コロニアル様式」と呼ばれる様式で設計されています。その特徴は、水平方向に板を重ねて貼り付けた「下見板張り」と呼ばれる壁面と、南側の大きなベランダ。「下見板張り」はなんとアメリカの開拓地、そして南側のベランダはアジア特有のものです。そのコロニアル様式に日本風テイストを加えたのが北野異人館スタイル。屋根の瓦は日本独特のもの、そしてベランダの一部は寒い日本の気候を考慮してガラス窓で閉じられています。



 特徴その1 下見板張り

 特徴その2 南向きの大きなベランダ

特徴その3 屋根には日本の瓦が乗っている

特徴その4 ベランダがガラス張りに

 このように北野の異人館は、いろんな文化が入り混じった独特の魅力を持つ建物なのです。それはまさしく港まち神戸象徴するものといえるでしょう。
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 神戸の観光スポットとして有名な異人館。異人館のことは聞いたことはありましたけど、行ったことは一度もありませんでした。
 異人館通りの町並みは街灯が整然と並んでいてとても美しい。建物はそれぞれが個性的で異人館によって違った特色があると感じました。今ではすっかりテーマパークのような観光地になっていますが、現実の歴史の積み重ねの中からできあがっただけあり、テーマパークのような作りものにはないリア充な感じが感動的です。 

参考
神戸北野異人館街www.kobeijinkan.com/
神戸北野の異人館 うろこの家公式ホームページhttp://kobe-ijinkan.net/
神戸謎解き散歩 大国正美 編著 新人物文庫


取材 中川克隆